去年の民藝館展に出品していた「切溜」が展示を終えて帰宅しました。20日間ほどの展示期間で少々乾燥気味・・・。空気が相当乾燥していたようですものね。労をねぎらってタガを新しくしめかえることにしたそうです。青竹色のタガが入ってきれいです。
このキリタメという道具は、このように入れ子になっています。
収納の為もあるのでしょう。
タガが上手く入っていないとこのようにぴっちりと重ねて収納することはできません。
計7つの桶が重なっています。
更に、このように、小さいものの上に順に重ねることができます。
つまり桶が桶の蓋にもなる・・・のです。
このキリタメは、もともとはその名の通り、切った食材をためておく、つまり一旦入れておく為の容器でした。昔からこの辺りでは七鉢とも呼び、桶だけではなく様々な素材、様々な形のナナツバチが作られていたそうです。
冠婚葬祭の時など、昔は、今のように仕出しを頼むことはなく、集落もしくは親族の皆さんで集まって、食事の用意をして客人をもてなしましたよね。今のようにボールやバットなどもありませんでしたから、切った食材を入れたりするのに、こういう容器が必要だったのです。しまうのに便利なように重ねることができ、また小さい順に重ねれば蓋にもなるキリタメは、とても重宝だったことと思います。
多くは漆を塗って仕上たそうです。
用に応じて生まれた形、その形を生み出すために磨かれる技術。
そうして出来た道具は自然と美しくあるものです。
優れた職人先輩が作りだした暮しの道具を見るたびに、
狙っていない「美しさ」にいつも感心します。
用からうまれた美しさ・・・。
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そうそう、おねがいしていた(誰に?)雪のお布団が届きました。お陰で湧き水周辺もすっぽり覆われました。これで多少の凍結防止になるはずです。
雪の照り返しで仕事場はとても明るく、仕事がしやすいそうです。がんばれ父ちゃん!