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森の暮らし  たいまぐら便り
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水神さま
水神さま_f0035962_15185237.jpg先日、谷中で食べたサバサンド。
横浜で作ってみたらなかなか好評だったので、また作りました。正宏さんの為に!(ということにします。)
あ~でも、必須のレタスと青紫蘇もなく、また、たまたま今回パンを小さい型で焼いてたものだから、なんか大分違う代物になってしまったぁ。タハハ~。各自セルフでサンドしつつパクリ。やっぱりレタスと青紫蘇は必須やねぇ。
水神さま_f0035962_15191654.jpg因みにサバの水煮缶を使用。少し水気をきって小麦粉をまぶしてカラリとあげます。今回は、小麦粉に少しカレー粉をブレンドしてみました。少し冷めても、カレーの風味がついていると魚の臭みが気にならないのではと思い。
「おいしいよ」と正宏さんパクパク食べてくれましたが、私は不満足。畑のルッコラが取れだしたらまたリベンジしようと思います。

水神さま_f0035962_151934100.jpg
食後は黒豆とお茶でお口さっぱり。黒豆は年中おやつとして煮ています。今回はいつもとちょっと違う煮方で煮ました。先日「今日の料理」で土井氏が紹介していたのですが、なんと、乾黒豆を水で戻すのではなく、煮汁、つまり砂糖を加えた煮汁の中で戻すというのです。実際その方法で煮てみましたが、いつもと・・・う~ん、あんまり違いがわからないな・・・。強いて言えばちょっとコックリ煮えてるかな??いつもより丁寧にアクをひく必要があり、ちょっと手間がかかるかも・・・。

つくり慣れていない料理も、毎回毎回ちょっとづつ失敗したり成功したりしながら工夫を重ね、なかには消えていくものもあれば、その家の定番料理になるものもある。またずーっと作り続けている料理でも、思いがけない料理方法を知って、改善されていくものあれば、やつぱりいつもの方法が良いと落ち着く場合もある。そういうアレコレを楽しむと、毎日の食事作りも楽しいものです。

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前回、湧水のことを少し書きました。
水があっての暮らし・・・そのありがたさを、冬になると改めて強く感じます。

今我が家は、先日書いたあの場所で湧いている水を、そばに埋めたタンクに一旦溜めてから使用しています。
水の湧いている場所から自宅までは7,80mほど離れていて、かつ自宅の方が数メートル高いため、使う時は、電気の力を使ってポンプアップしています。
水源から自宅までの水道管は、冬季の凍結を考慮して、1mほど地中に埋めてひいています。
これは17年前に自宅を建てる際に、大工さんに施工していただきました。
以来、ほぼ、一年中、水を利用できるようになりました。
真冬の渇水期に、水が足りなくなり、お風呂の回数や洗濯の回数を減らすことはありますけれど・・・。

私たち夫婦がたいまぐらに移住したのは21年前の4月末のことです。
最初に暮らした家は、戦後の開拓農家が住んでいた古い家で、しかも、長いこと空家だったため、屋根も床も朽ちおちている廃屋でした。
屋根は屋根屋さんにふきかえていただきましたが、床や壁などは自分たちで修理しました。
床などは全く使い物にならなかったので、全部剥ぎ取り、廃校になった小学校で使われていたという材料を譲ってもらって全て取り替えました。
今、その家は、更に増改築を繰り返しつつ、桶屋の仕事場として大活躍しています。

当時、水は、家より高い位置で湧いている水を、ホースを使って家まで引き込んでいました。
水は高い方から低い方に流れますよね。
その性質を利用して、家の中に水を引き込んでいたのです。
そういう訳で、水は四六時中流れっぱなし・・・、家のなかに小さな川の流れがあるようなものでした。
落ち葉が詰まって流れが止まったり、時にはサンショウウオが流れてきて「ここはドコ?」という顔でシンクの中にいたことも・・・。
まぁー、それでも春から秋までは問題はありません。
ですが、冬になるとさぁ、大変です。
気温が、時には-20度近くまで下がるたいまぐら。
ホース水道がかなりの頻度で凍ってしまうのです。
凍ってしまうと復旧には半日ほどかかりました。
雪の下に埋もれている、70mほどのホースを先ず回収します。
空のホースなら軽いですけれど、氷が詰まったホースですから、重いこと、重いこと。
そうしてやっとの思いで回収したホースを、前日のお風呂につけて中の氷を溶かし、更にすっかり空にしてから、また水源から家までホースを引くのです。
やっと引いた空のホースに水を流す時はドキドキ。
空になっているとは言え、冷え切って氷の管のようになったホースに水を流すのですから、この瞬間に凍る危険も高いのです。
半日かけて復旧したのに、この時にまた凍らせてしまい、元の木阿弥になったことも何度もありました。クゥ~
今となっては思い出話ですが、若かったからできてたなぁ~と思います。

気温が一番下がるのはお日様が昇る前・・・。
その時間になると自然と目が覚めて、そして耳を澄まします。コポコポコポと流しに水の流れる音がすると、本当にホッとし、感謝したものです。
水音がいつもと違うと感じ様子を見に行くと、今にも凍りそうになっていて、慌ててお湯をかけながら、お願い凍らないで~と見守った朝も数知れず・・・。
あの時代、水が充分に使えることのありがたさをつくづくと知りました。
「水は大切だ」「水がなければ暮らせない」と、耳にタコができるほど聞かされて育ってきたけれど、その本当の意味を実感できたことは、とても大変だったけれど、宝物のような経験だったと思います。
水の神さま、火の神さま、風の神さま、いろ~んな神さまがいて、そうして私たちの暮らしはあるのだと、そんな気持ちは、あの時代に私の心に根付いたように思います。

前にも確かブログで同じようなことを書いたかもしれませんね。悪しからず・・・。
でも、また書かせてもらいます。
冬になると、いつも改めて水への感謝を思い起こします。その気持ちを大切にしたいと思うから・・・。

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ネイテイブアメリカンの言い伝えとして広く紹介されている一文を、
ここでご紹介いたしま~す。折々に思い出しています。


『小さき弱きいきもの』

今から数千年前の地球
そこには たくさんのいきものが生きていた

ある時 空からの声で
地球上のすべてのいきものが1頭ずつ呼ばれ 集まった

天からの声は言った
ここに集ったものたちよ よく聞いて欲しい
今から 地球上で 最も弱いいきものが 生まれてくる
そのいきものは
自分の力だけでは 食べ物を得ることができない
また
そのいきものは
自分の身体の毛だけでは
暑い日ざしや 冷たい風から 身を守ることができない

だからどうか ここに集いし いきものたちよ
おまえたちの力を かしてやってほしい

もし そのいきものが たべものに困っていたら
草や 実や 動物たちよ
どうか その身体を 与えてやってほしい
もし そのいきものが 寒さに震えるときは
動物は毛皮に
植物は布に
樹木は家になってやってほしい

そして その時 1羽の鳥がたずねた
「その いきものの名は なんというのでしょう」

空は答えた
「その 小さき弱き いきものの名は 人間 という…」
by chihoa3 | 2015-01-20 10:18
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